VIETIS EDU
情報とイベント

Group 140

プロジェクトマネージャー基礎講座 修了おめでとうございます

去る8月7日、VietIS Educationは「Project Manager Foundation(PMF)」修了式と修了証授与式を盛大に開催いたしました。
本講座は、BrSE、QA、テスター、デベロッパーなど、さまざまな職種・分野から集まった受講生が、1か月以上にわたって熱心に学び、実践的にスキルを磨き上げてきた集大成となる節目のイベントです。

本講座は、国内外の大手企業で24年以上のプロジェクトマネジメント経験を持つグエン・タン・ビン講師の指導のもと、体系的なプロジェクト管理知識だけでなく、現場で培われた実践ノウハウや貴重な成功・失敗事例も学ぶことができました。特に1対1の個別コンサルティングセッションでは、チームマネジメント、顧客とのコミュニケーション、突発的な課題への対応など、業務上の課題を即時に解決するサポートが行われました。

PMF講座は単なる理論学習ではなく、リーダーシップとマネジメント力を鍛える実践的プログラムです。シミュレーション演習、ケーススタディ、グループディスカッションを通じて、タスク調整、リスク管理、リソース配分、タイムマネジメントなど、プロジェクトマネージャーに不可欠なスキルを総合的に習得しました。

この度、VietIS Educationをキャリア形成のパートナーとしてお選びいただき、心より感謝申し上げます。受講生の皆さまが、今後も自信と誇りを持って活躍され、さらなる成功を収められることをお祈りいたします。

ペンテストとは?なぜペンテストが必要なのか?

テクノロジーとインターネットが急速に発展する現代において、企業はますます多くのサイバーセキュリティリスクに直面しています。重要なデータを安全に保護し、不正アクセスを防ぐためには、効果的なセキュリティ対策が不可欠です。その中でも、「侵入テスト」(Pentest)は、システムのセキュリティレベルを評価し、潜在的な脆弱性を発見するための重要な手段となっています。

ペンテストとは?

ペンテストは、「Penetration Testing」(侵入テスト)の略で、システム、アプリケーション、またはネットワークのセキュリティを確認するプロセスです。このプロセスでは、外部または内部からの攻撃をシミュレートし、システムの脆弱性を洗い出します。ペンテストの目的は、悪用される可能性のあるセキュリティの脆弱性を特定し、それに基づいて修正措置を講じることで、潜在的な脅威からシステムを安全に保つことです。

ペンテストにより、企業はサイバー攻撃者が悪用する前に、自社のシステムの脆弱性を洗い出すことができます。これは、システムの耐性を評価するだけでなく、サイバー攻撃発生時の対応力強化にもつながります。

ペンテストは、コンピューターシステム、ウェブアプリケーション、モバイルアプリ、ネットワークインフラ、IoTデバイス、クラウドサービス、SaaS、API、ソースコードなど、インターネットに接続され、攻撃を受ける可能性のあるあらゆるIT資産に対して実施することができます。しかし、特にウェブアプリケーションとモバイルアプリケーションに対するペンテストが頻繁に行われています。

なぜペンテストが必要なのか?

市場調査会社のMarket Watchによると、2018年のPentest市場規模は9億2000万ドルでしたが、2025年には24億2000万ドルに達し、年平均成長率は14.9%と予測されています。

そのため、サイバー攻撃の脅威はますます深刻化しています。企業は、ウェブサイトやモバイルアプリを通じて顧客と繋がり、ビジネスを展開しており、その過程で扱う膨大な量の個人情報や機密情報は、サイバー犯罪者にとって格好の標的となっています。特に、ERPシステム、CRMシステム、IoTデバイスなど、企業の業務を支える基幹システムは、一度侵害されると、業務中断や情報漏洩といった深刻な事態を引き起こす可能性があります。このような状況下において、企業は自社のシステムをしっかりと保護し、サイバー攻撃から身を守る必要があります。

近年、サイバー攻撃はますます巧妙化し、企業のITシステムに対する脅威は高まっています。このような状況下で、ペンテストを実施することは、企業のセキュリティ対策において非常に重要な意味を持ちます。

- セキュリティリスクの低減:ペンテストにより、システムの脆弱性を早期に発見し、攻撃される前に対策を講じることができます。これにより、データ漏洩やシステムダウンといった深刻な被害を防ぎ、企業の評判を守ることができます。

- 法規制への準拠: PCI DSS(決済業界データセキュリティ基準)やGDPR(EU一般データ保護規則)など、多くの業界や地域でサイバーセキュリティに関する規制が強化されています。ペンテストは、これらの規制への準拠を証明するための有効な手段となります。

- Pentestは顧客情報を保護するだけでなく、企業の知的財産や重要なデータを不正アクセスから守ることも目的としています。そのため、機密データが安全に保護されることを確保するための重要なステップです。

Pentestの種類

侵入テストは、企業ごとに抱えるセキュリティ課題が異なるため、一律の方法は存在しません。そのため、それぞれの企業が抱えるリスクや目標に合わせて、様々な種類のテストが実施されています。以下に、一般的な侵入テストの種類をいくつかご紹介します。

- 内部テスト:内部テストは、まるで会社の内部にハッカーが侵入したかのように、システムのセキュリティを評価するシミュレーションです。このテストでは、社内のネットワークやシステムに潜む脆弱性を洗い出し、悪意のある攻撃者から身を守るための対策を立てます。

- 外部テスト:組織の外部からシステムに侵入を試みることで、システムのセキュリティレベルを評価するテストです。このプロセスには、識別、リストアップ、脆弱性の検出およびエクスプロイトが含まれます。

- ウェブアプリケーションテスト:一般的に以下の3つの段階に分けて行われます。これは、情報収集(OS、サービス、リソースに関する情報の収集)、脆弱性の発見、そしてデータへのアクセスを得るためのエクスプロイトです。

- 内部脅威テスト:内部脅威テストは、組織内部からの攻撃に対する脆弱性を評価するテストです。この評価プロセスでは、認証攻撃、設定ミス、セッションの再利用、無許可の無線デバイスなどの脆弱性に焦点を当てています。

- 無線ネットワークテスト(ワイヤレステスト):無線LANのセキュリティ脆弱性を評価するテストです。具体的には、Deauth攻撃、設定ミス、セッションの再利用、無許可の無線デバイスなどの脆弱性を洗い出します。

- 物理セキュリティテスト:

データシステムの物理的セキュリティに関する脆弱性を評価するテストです。この中には、ソーシャルエンジニアリング攻撃、テイルゲーティング、バッジの複製、その他の物理的セキュリティリスクが考慮されます。

ペンテストの実行プロセス

プロフェッショナルで効果的なペンテストプロセスは、通常以下の段階で構成されます:

- 計画と準備:これは最初のステップであり、ペンテストの範囲、目標、実施方法を特定します。この段階では、ペンテスターと組織の間で権限、具体的な目標、技術的要件について明確にコミュニケーションを取ることが含まれます。

- 情報収集:この段階では、ペンテスターが対象システムに関する情報を検索し、集約します。この情報には、システムの構造、使用中のサービスやデバイスのリストなど、の情報を集めることで、より効果的な攻撃計画を立てます。

- 侵入とエクスプロイト:ペンテスターは、特定されたセキュリティの脆弱性を利用し、システムに侵入する方法を模索します。この過程では、システムの防御層を突破する方法を見つけるために、さまざまなツールや技術を使用します。

- 分析と報告:テスト終了後、ペンテスターは結果を詳細に分析し、発見されたセキュリティの脆弱性に関する報告書を作成します。この報告書には、脆弱性の説明、深刻度、各脆弱性に対する具体的な修正方法が含まれます。

- 修正と再テスト:報告書に基づき、企業は発見された脆弱性をすべて修正し、セキュリティ対策を強化します。その後、再度ペネトレーションテストを実施し、修正が正しく行われたか、新たな脆弱性が生まれていないかを確認します。

いつペンテストを実施するべきか?

組織は、ITシステム(ネットワークインフラやアプリケーションを含む)のセキュリティを確保するために、年に一度または四半期ごとに定期的にペンテストを実施することが推奨されています。特に以下の状況下では、ペンテストの実施が強く推奨されます。

- システムの変更後: 新しいシステムまたはアプリが導入されるたびに、ペネテストを実施して、セキュリティに脆弱性がないかを確認する必要があります。

- 脆弱性やセキュリティインシデント発生後:システムに問題が発生した場合、ペンテストを再度実施することで、セキュリティ対策が効果的に機能しているかを確認し、新たな脆弱性が生まれていないか検証します。

- セキュリティ基準を満たす必要があるとき:PCI DSSやISO 27001などの国際的なセキュリティ基準や、顧客・パートナーからのセキュリティ要件を満たすために、多くの企業は定期的なペネトレーションテストを実施する必要があります。

まとめ

ペンテストは、サイバー攻撃の脅威が日々高度化する現代において、組織のセキュリティ対策に欠かせない要素となっています。ペンテストは、潜在的なセキュリティの脆弱性を発見するだけでなく、サイバー攻撃に対するシステムビジネスの継続性を確保することができます。卓越したセキュリティの利点を考慮すると、ペンテストはどの企業にとっても定期的に実施すべき活動と言えるでしょう。

ランサムウェアとは?身代金要求型ウイルスへの対策

ランサムウェアは、あなたの大切なデータを人質に取る恐ろしいサイバー犯罪です。このマルウェアは、あなたのコンピューターに侵入し、データを暗号化してロックしてしまうことで、身代金を要求してきます。近年では、ウイルスよりもランサムウェアが企業や組織にとって大きな脅威となっています。そのため、多くのIT管理者は、この「身代金要求型ウイルス」の侵入を防ぐために日々奮闘しています。

1.ランサムウェアとは?

1.1 身 代金要求型ウイルス(ランサムウェア)

ランサムウェアは、あなたの大切なデータを人質に取る悪質なコンピューターウイルスの一種です。このウイルスに感染すると、パソコンやスマホ内のファイルが暗号化され、開けなくなってしまうことがあります。そして、暗号化を解除し、ファイルを復元するためには、犯人に「身代金」と呼ばれるお金を支払うよう要求されます。

身代金の額は、個人であれば150~500ドル程度から、企業であれば数千ドルにまで上ることがあります。ビットコインなどの仮想通貨を用いた身代金の支払いを求めることが一般的です。これは、ビットコインが匿名性が高く、追跡が困難であるためです。

1.2. ウイルス vs. ランサムウェア:同じ?それとも違う?

「ウイルス」という言葉は、ベトナムではもはや一般的な言葉となり、多くの皆さんがコンピューターのトラブルの原因として連想するのではないでしょうか。そのため、ランサムウェアのような他の種類のマルウェアもまとめて「ウイルス」と呼ぶ人が多いかもしれません。しかし、ウイルスとランサムウェアは、全く異なる種類のマルウェアなのです。

ウイルスとランサムウェア、どちらもマルウェアの一種であるという点は共通しています。 しかし、その特徴や目的は大きく異なります。

ウイルスは、非常に速い速度で拡散し、広がる能力を持つマルウェアを指す用語であり、制御が効かなくなることがあります。

一方、ランサムウェアは、被害者から「身代金」を要求する目的で設計されたソフトウェアです。通常、ランサムウェアを拡散させるために、悪意のある者はフィッシング詐欺などの手法を使用して、ユーザーを「引っかける」必要があります。

このような特徴の違いから、ウイルスとランサムウェアの両方の性質を併せ持つマルウェアは非常に稀です。「ウイルス・ランサムウェア」という用語は、特に急速に感染が広がるタイプのランサムウェアを指す際に使われることがあります。有名な例としては、WannaCryが挙げられます。

2.ランサムウェアに感染する経路

ランサムウェアに感染する経路はさまざまですが、代表的なものとしては以下のようなものが挙げられます。.

  • クラック版のソフトウェアや、信頼できないサイトからダウンロードしたソフトウェアの使用
  • メールの添付ファイル(通常はWordファイルやPDF)のクリック
  • 悪意のある広告のクリック
  • アダルトサイトや不正なウェブサイトのアクセス

その他、ハッカーの手口は日々巧妙化しており、新たな感染経路が常に生まれています。

3. ランサムウェアの分類と動作原理

ランサムウェアは、ユーザーが気付かないうちにコンピューターに侵入することがよくあります。ハッカーは、ランサムウェアをWord文書やPDFファイルなど、一見無害なファイルに偽装することが多く、ユーザーがうっかりクリックしてしまうと、コンピューター内でこっそりと実行されます。

動作原理の違いによって、ランサムウェアは大きく3種類に分類されます。暗号化型(Encrypting)、非暗号化型(Non-encrypting)、リークウェア(Leakware)です。しかし、近年では、ランサムウェアは技術の進歩とともに、モバイル(AndroidやiOS)やIoTデバイス、さらにはDSLRカメラに感染する新たなランサムウェアも登場しています。

3.1. 暗号化型ランサムウェア(Encrypting)

暗号化型ランサムウェアは、最も一般的な種類のランサムウェアで、ユーザーのファイルやフォルダを暗号化してロックしてしまうものです。別の呼び方として、クリプトランサムウェア(Crypto Ransomware)とも呼ばれます。

このタイプのランサムウェアは、一度コンピューターに侵入すると、犯人のサーバーと通信し、あなたのファイルを暗号化する鍵を生成します。この鍵は2種類あり、一つはファイルを暗号化するための「公開鍵」、もう一つは犯人だけが持って暗号を解くための「秘密鍵」です。これらのファイルは特定の形式に拡張子が変更され、開こうとしてもエラーが表示されます。

ファイルの暗号化が完了すると、コンピューターの画面には、身代金を要求するメッセージが表示されます。場合によっては、被害者に一定の期限内に支払うよう圧力をかけます。期限内に支払わないと、復号キーが破棄されるか、身代金の金額が上昇するなど、さらなる脅迫が加えられることもあります。

3.2. 非暗号化型ランサムウェア(Non-encrypting)

非暗号化型ランサムウェア、またはロッカー型ランサムウェアと呼ばれるこのタイプのマルウェアは、ファイルを暗号化することはありません。代わりに、デバイス全体へのアクセスを遮断し、ユーザーが画面のオン・オフを除いてコンピューターを操作できないようにします。感染すると、コンピューターの画面に身代金を支払うよう要求するメッセージが表示されます。このメッセージには、支払方法や支払い期限などが詳細に記載されています。reveton ransomwareRevetonは、警察を装ってユーザーを脅し、身代金を要求するタイプのロッカー型ランサムウェアです。

3.3. リークウェア(Doxware)

リークウェア(Leakware)は、ユーザーのデータを盗み出し、それをインターネット上に公開すると脅迫し、身代金を要求するタイプのランサムウェアです。

この種のランサムウェアに感染すると、コンピューター内の個人情報、機密データ、写真など、さまざまなファイルが盗み出されます。その後、犯人は、盗んだデータを公開すると脅し、身代金を要求してきます。もし、身代金を支払わなければ、盗まれたデータがインターネット上に拡散され、プライバシーが侵害される可能性があります。

3.4. モバイルランサムウェア

スマートフォンが世界中で広く普及し、人々の生活に欠かせない存在となるにつれて、ランサムウェアもスマートフォンを狙うようになりました。通常、モバイルランサムウェアは、データを暗号化するのではなく、ユーザーのデータアクセスを妨げる形(非暗号化型)で現れます。これは、モバイルデバイスのデータがオンライン同期を通じて簡単に復元できるためです。

モバイルランサムウェアは、特にAndroid端末を標的とする傾向があります。その理由は、Androidがサードパーティ製のアプリのインストールを許可しているためです。ユーザーがモバイルランサムウェアを含む.APKファイルをインストールすると、次の2つのシナリオが考えられます:

  • ポップアップ通知が表示され、ユーザーは他のアプリケーションにアクセスできなくなります。
  • 「クリックジャッキング」手法を使用して、ユーザーに誤ってデバイスの制御権限を付与させます。この場合、モバイルランサムウェアはシステムに深くアクセスし、他の違反行為を実行することができます。

iOS端末への攻撃は、Android端末に比べて高度な技術が必要となります。例えば、iCloudアカウントを悪用し、「iPhoneを探す」機能を使用してデバイスへのアクセスをロックします。

3.5.  IoTデバイスとDSLRカメラへのランサムウェア感染

近年、サイバーセキュリティの専門家は、ランサムウェアが狙うことができることを証明しました。また、産業用IoTデバイスなど、さまざまなIoTデバイスにも存在する可能性があります。また、産業用IoTデバイスなど、さまざまなIoTデバイス(Internet-of-Things)にも存在する可能性があります。

2019年8月、セキュリティ研究者は、DSLRカメラがランサムウェアに感染する可能性があることを証明しました。デジタルカメラは通常、画像転送プロトコル(PTP:Picture Transfer Protocol)を使用して画像を転送します。研究者たちは、このプロトコルの脆弱性を悪用して、ターゲットカメラにランサムウェアを感染させることができることを発見しました(または任意のコードを実行することも可能です)。この攻撃は、今年8月にラスベガスで開催されたDefconセキュリティカンファレンスで実験されました。

4. 有名なランサムウェア攻撃

4.1. WannaCry

WannaCryは、テクノロジーやセキュリティに関心のある人なら誰でも知っている有名なランサムウェアです。2017年、このマルウェアは世界116カ国、25万台以上のコンピューターに感染する大規模なサイバー攻撃を引き起こしました。ベトナムもその被害国の一つでした。

WannaCryは、2017年まで「史上最悪のランサムウェア攻撃」と呼ばれ、数億ドルから数十億ドルもの損害をもたらしたと推定されています。このマルウェアは、Microsoft WindowsのSMBプロトコルの脆弱性を悪用し、ネットワーク内の他のコンピュータに自動的に感染を広げることができました。

わずか4日間で、WannaCryは116カ国、25万台以上のコンピューターに感染拡大しました。ヨーロッパでは、フェデックス、英国の国民医療サービス(NHS)、ロシア内務省など、多くの政府機関や大企業が深刻な被害を受けました。

この攻撃から数ヶ月後、アメリカ政府は、北朝鮮がWannaCry攻撃の背後にいると正式に非難しました。イギリス政府やマイクロソフトも同様の見解を示しています。

4.2. GandCrab

GandCrabは、2018年1月下旬に発見されたランサムウェアです。このマルウェアは、悪意のある広告やフィッシングメールを通じて拡散され、感染したコンピューター内のファイルを暗号化し、身代金を要求します。身代金を支払うためには、ユーザーはTorブラウザをインストールし、匿名性の高い仮想通貨であるDashまたはBitcoinで支払う必要があります。支払い額は、暗号化されたファイルの数によって約200ドルから1200ドルが要求されます

GandCrab 5.0.4

Bkavの統計によると、2018年末時点で、ベトナムでは約3,900台のコンピューターがGandCrabに感染し、データが暗号化される被害を受けていました。ハッカーはGandCrabを常に改良しており、より複雑な4つのバージョンが確認されています。

4.3. Bad Rabbit

Bad Rabbitは、2017年初頭以降、WannaCryやNotPetyaに次いで大規模なサイバー攻撃を引き起こしたランサムウェアです。特に東ヨーロッパ地域を中心に猛威を振るい、政府機関や企業など、多くの組織が被害を受けました。具体的には、トルコのオデッサ空港、ウクライナのキエフ地下鉄システム、ウクライナ運輸省、ロシアの3つの新聞社などが、Bad Rabbitの攻撃を受けました。

【ハッキングされたサイトで表示される偽のAdobeFlashアップデート通知】

Bad Rabbitは、偽のAdobe Flash Playerのアップデートを装って拡散されました。

具体的には、ハッカーに侵入されたウェブサイトで、Adobe Flash Playerのアップデートを促す偽の通知を表示し、ユーザーに偽のインストールファイルをダウンロードさせます。このような偽のアップデート通知は、インターネット上でよく見かけるため、ユーザーはうっかり騙されてしまう可能性が高いです。

4.4. NotPetya

NotPetyaは、WannaCryと同様に、Microsoftの脆弱性を悪用したランサムウェアです。ウクライナを中心にヨーロッパ各地で猛威を振るい、コンピューターからコンピューターへ、さらにはネットワーク間を自動的に広がっていきました。特に恐ろしいのは、単にファイルを暗号化するだけでなく、ハードディスクを完全に破壊してしまう点です。つまり、身代金を支払ってもデータを復元できないケースが多かったのです。

多くの専門家は、この攻撃がロシア政府によって仕掛けられたのではないかと疑っています。

4.5. その他のランサムウェア攻撃

上記のランサムウェア以外にも、Reveton(2012年)、CryptoLocker(2013年)、CryptoWall(2014年)、TorrentLocker(2014年)、Fusob(2015年)、SamSam(2016年)など、世界中で大きな被害をもたらしたランサムウェアが数多く存在します。これらのランサムウェアによって、世界中で数百万ドル規模の損害が発生しました。

5. ランサムウェアの標的となるのは誰か?

5.1. 企業

ランサムウェアの標的として最も多いのが、企業です。特に、成長しているもののセキュリティ体制が不十分な企業が狙われやすい傾向にあります。これらの企業は財政的に安定しており、顧客データの削除や暗号化の脅迫に直面した際、ハッカーに支払うことが多いです。

5.2. 医療機関、政府機関、教育機関

ハッカーは、短期間で身代金を支払う可能性が高いと考えられる組織も標的にします。 具体的には、政府機関や医療機関など、頻繁にデータベースにアクセスする必要がある組織が挙げられます。また、法律事務所や機密性の高いデータを多く保有する組織も、サイバー攻撃の標的となりやすいです。これらの組織は、データ漏洩によって大きな損害を受けることを恐れて、身代金を支払う可能性が高いと考えられているからです。

ハッカーは、大学も標的にします。 大学は、セキュリティ担当者が少なく、一方で学生の個人情報など、大量のデータを保有しているため、魅力的な標的となるからです。

5.3. 個人

ランサムウェアの標的は、組織だけでなく、個人も含まれます。特に、経済的に余裕があり、身代金を支払う能力があると見られるCEOや経営者などが狙われることがあります。

しかし、インターネットを利用するすべての人が、ランサムウェアの被害に遭う可能性があるという点も忘れてはいけません。現代では、ランサムウェアは自動的に拡散するよう設計されており、ちょっとしたクリックミスが原因で感染してしまうケースも少なくありません。

6. ランサムウェアに感染した場合の対処法

6.1. 身代金を支払うべきか?

ハッカーがランサムウェアを仕掛ける最大の目的は、金銭を得ることです。あなたのコンピュータにマルウェアを感染させ、身代金を要求することで、不正に利益を得ようとしているのです。そのため、あなたは犯罪者と対峙していることになります。残念ながら、この取引は正当なものではなく、身代金を支払ったとしても、必ずしもデータを取り戻せる保証はありません。過去には、身代金を支払ったにも関わらず、データが復元されなかったという事例が多数報告されています。サイバーセキュリティの専門家や政府機関は、このような状況下では、決して身代金を支払うべきではないと警告しています。

ランサムウェアに感染した場合、安易に身代金を支払うべきではありません。 その理由は以下の2つが挙げられます。まずは、身代金を支払っても、必ずしもデータを復元できるとは限りません。また、一部のランサムウェアの場合、セキュリティ研究者によって復号ツールが開発されていることがあります。専門家に相談することで、無料でデータを復元できる可能性があります。

6.2. ランサムウェアの削除方法

もし、あなたのコンピューターが会社のネットワークに接続されている場合は、まず最初にネットワークから切断してください。これにより、他のコンピューターへの感染を防ぐことができます。

コンピュータがロックされておらず、データが暗号化されているだけの場合は、セーフモードを起動し、ウイルス対策ソフトを実行することで、ランサムウェアを削除できる可能性があります。

しかし、コンピューターが完全にロックされてしまっている場合は、ランサムウェアの削除プロセスはより複雑になり、CryptoLockerを削除する必要があります。この場合は、迅速なサポートを受けるために専門のセキュリティサービスに依頼する必要があります。

6.3. データを復元できるのか?

過去に大規模な被害をもたらしたいくつかのランサムウェアに対しては、セキュリティ研究者たちが復号ツールを開発し、被害者のデータを復元できる可能性が出てきました。これらのプログラムは、一定のコンピュータ専門知識を必要とします。興味がある場合は、「No More Ransom」や「Free Ransom Decryptors」といった復号ツールを参照してみてください。

しかし、ハッカーの手口はますます巧妙になっており、新たなランサムウェアは日々生まれ続けています。一度感染してしまうと、復元が困難なケースも多く、大切なデータが失われてしまうリスクが非常に高くなります。そのため、今すぐ対策を始めることが不可欠です。ランサムウェア対策の知識を身につけ、自分を守るための第一歩を踏み出しましょう。

7. ランサムウェア対策:効果的な予防策

7.1. データのバックアップ

ランサムウェア対策として最も重要なのは、定期的なデータのバックアップです。バックアップするデータ量が多い場合は、外付けハードディスクがおすすめです。50GB以下のデータであれば、Dropbox、Google Drive、Mega、OneDriveなどのクラウドストレージサービスを利用することもできます。特に重要なデータは、毎日バックアップすることをおすすめします。万が一、ランサムウェアに感染してしまった場合でも、バックアップデータがあれば、被害を最小限に抑えることができます。

7.2. ソフトウェアの定期的なアップデート

ソフトウェアのアップデートには、セキュリティ上の脆弱性を修正するパッチが含まれていることが多く、これを行うことで、ランサムウェアなどの攻撃から身を守ることができます。特に、ブラウザ、Flash Player、Javaなどの頻繁に利用されるソフトウェアは、こまめなアップデートが重要です。

また、ウイルス対策ソフトも、定期的なアップデートが不可欠です。まだウイルス対策ソフトを導入していない場合は、すぐにインストールしましょう。Kaspersky、Norton、McAfee、ESET、そしてWindowsに標準搭載されているWindows Defenderなど、多くの信頼できるウイルス対策ソフトがあります。ウイルス対策ソフトは、ランサムウェアなどのマルウェアを検出し、駆除するだけでなく、未知の脅威からコンピュータを保護する役割も果たします。

7.3. 不審なリンクやファイルに注意

これは、ハッカーがよく使う巧妙な手口です。例えば、重要な書類や興味深い情報があるように見せかけて、メールやSNSでファイルを送りつけます。ダウンロードしたファイルは、WordやExcelのファイルに見えますが、実際には実行ファイル(.exeファイル)が隠されている場合があります。、ユーザーがうっかり開いてしまうと、コンピューターがマルウェアに感染してしまうのです。

従って、ダウンロードする前に、必ず送信元のアドレスやメールの内容に不審な点がないか確認しましょう。ダウンロードしたファイルは、直接クリックせず、Word、Excel、PowerPoint などを使用してファイルを開くようにしましょう。もし偽装された .exe ファイルであれば、ソフトウェアが開けないというエラーメッセージが表示されます。

「Pen Testを趣味で始めてみたら、予想以上にハマってしまいました!」

当センターでは、ペンテスト入門クラスで学んでいた男性受講生が今も強く印象に残っています。一見すると内向的で寡黙な印象でしたが、いざ学習が始まると、熱意にあふれ、活発な一面を見せました。深夜12時を過ぎても、講師に質問を投げかけ、議論を深めようとする姿が印象的でした。

「最初は、コードを書くよりもペンテストの方が面白そうだと思って、この講座を受講することにしました。ただ単に楽しみたいという軽い気持ちで始めたのですが、予想以上にハマってしまいました!」

ギアさんは、Pen Testを選んだ理由についてこう話します。「私は情報科学科の学生です。自分自身、好奇心旺盛で、新しいことを発見したり、自分の能力を試したりするのが好きなんです。だから、プログラミングだけでなく、別の分野にも挑戦してみたかったんです。」

VietIS Educationでの講座受講後、ギアさんはこう語りました。「この場を借りて、Hung先生に心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。先生は、単に知識を教えてくださっただけでなく、時間をかけて熱心にサポートしてくださり、特に、私に自信とPen Testへの情熱を持たせてくださいました。」

今ではギアさんは、攻撃側(Red Team)として自分の道を定めました。毎日、時間を費やして、自分の興味のある分野について研究し、学んでいます。単に「面白そうだから」と勉強していた情報科学科の学生から、ギアさんは、自分が本当に好きな仕事を見つけました。

ギアさんの挑戦は、私たちに多くのことを教えてくれます。

1. 速く行くか遅く行くかは重要ではありません。重要なのは、一歩を踏み出すことです。

2.いつ始めるかは問題ではありません。大切なのは、今日から始めることです。

3.興味のある分野なら何でも挑戦してみましょう。費やした時間は決して無駄になりません。

ペネトレーションテストへの道は長く険しいものですが、VietIS Educationは、ギアさんがすでに順調なスタートを切っていると確信しています。将来、大きく飛躍できるよう、心から応援しています。ギアさんのセキュリティテストエンジニアとしての活躍を期待しています!

テスト自動化エンジニアとは?

IT業界において、「テスト自動化エンジニア」という職種はもはや聞き慣れないものではありません。これは、ソフトウェア製品の開発・リリースにおいて非常に重要な役割を担うポジションです。テスト自動化エンジニアとは何か、そしてそのキャリアパスについて詳しく見ていきましょう。

テスト自動化エンジニアとは?

テスト自動化エンジニアは、テストを自動化するスクリプトを作成し、実行することで、ソフトウェアの品質を確保します。具体的には、テストケースを設計し、スクリプト言語を用いて自動化ツールで実行可能なコードに変換します。その目的は、バグを最小限に抑え、製品を期限通りにリリースできることです。

テスト自動化エンジニアの仕事内容:

  • 顧客、現場チームのロジェクトマネージャー、開発者、ビジネスアナリスト、IT部門など、様々なメンバーと協力してプロジェクトを進める
  • テスト計画の策定: テストの範囲、スケジュール、リソースなどを計画する
  • 製品開発の初期段階から参加し、プログラムコード、プログラミングアーキテクチャ、コーディング規約などをより良く理解する
  • 既存のテクノロジーとテストツールを統合する

テスト自動化エンジニアの仕事内容は、業界や会社によって異なる場合がありますが、優れたテストエンジニアになるためには、ソフトウェアテスト全般について深い知識を持つことが重要です。技術的な知識やプログラミングスキルを身につけることで、高度なテストスクリプトを作成し、複雑な問題に対処できるようになります。 

テスト自動化エンジニアに関する誤解を解く

ソフトウェアが存在する限り、その品質を保証するためのテストは不可欠です。Mordor Intelligenceのレポートによると、テスト自動化市場は2021年から2026年にかけて14.2%という高い成長率で拡大し、その規模は400億ドルに達すると予測されています。

しかし、テスト自動化に関する誤解は存在し、この分野の仕事に対する誤った評価されている傾向にあります。ここでは、テスト自動化についてよく耳にする誤解をいくつかご紹介します。

誤解1:テスト自動化エンジニアの仕事は、開発者やプログラマーほど魅力的ではない

テスト自動化エンジニアの給与は、開発者やプログラマーと比較すると高くないケースもありますが、この考え方は、テスト自動化エンジニアの持つ潜在能力や、ソフトウェア開発における重要な役割を過小評価していると言えるでしょう。

確かに、テスターがいなければ、ソフトウェアはいつバグが発生してもおかしくなく、その原因を早期に特定して修正できる人がいなくなります。特に、製造ラインのような現場でソフトウェアに不具合が生じたら、どれほどの影響が生まれるでしょうか。

しかも、テスト自動化エンジニアの給与は決して低くありません。他の多くの職業と比較しても、テスト自動化エンジニアは魅力的なキャリアパスと言えるでしょう。この仕事は、専門的なスキルと継続的な学習意欲を必要とする、やりがいのある仕事なのです。

誤解2:自動化テストは簡単で、やることは少ない

「テストなんて、バグを見つけるだけだろう?」と思う人もいるかもしれません。しかし、現実はそう単純ではありません。アプリケーションのコードはすでに完成しているように見えても、その内部では様々な要因が複雑に絡み合い、予期せぬ動作を引き起こす可能性があります。

すべての要素が正しく連携し、製品のリリースに耐えうる品質を確保するためには、テスト自動化エンジニアは、UI設計、API、データベースなど、多岐にわたる技術領域を深く理解し、様々なツールを使いこなす必要があります。例えば、統合開発環境(IDE)の確認や、Jiraを用いたリスク管理など、幅広い知識とスキルが求められます。

誤解3:テスト自動化エンジニアはコードを書けない

このような誤解を抱いている方は、自動化テストの仕事の本質を理解していないのかもしれません。優れたテストエンジニアになるためには、常に新しい技術に挑戦し、自らコードを書いて問題解決にあたる姿勢が求められます。

自動化テストの仕事では、Java、Perl、Rubyなどのプログラミング言語を用いてテストスクリプトを作成したり、複雑なSQLクエリを駆使してテストデータを生成したりするなど、高度なプログラミングスキルが求められます。また、異なるデータベース間のデータ移行など、幅広い技術知識も必要となります。

テスト自動化エンジニアの仕事とは

簡単に言うと、テスト自動化エンジニアは、ソフトウェアの品質を保証するために、反復的なテスト作業を自動化する専門家です。具体的には、以下の業務を行います。

  • テスト対象となるソフトウェアの機能や構造を深く理解し、様々な種類のソフトウェアテストの概念を習得します。
  • 自動化フレームワークを構築し、テストシナリオを開発するには、高度なプログラミングスキルと技術力が不可欠です。
  • テストの目的を明確にし、その目的を達成するために必要なテストケースを選定します。
  • レポートの比較やExcelデータの抽出など、反復的な作業を自動化することで、チーム全体の効率化を図ります。
  • チームメンバーと協力し、テストプロセスの継続的な改善に取り組みます。

上記に加え、各企業の事業内容によって、テスト自動化エンジニアの業務は多岐にわたります。特に、ソフトウェアサービスを提供する企業では、テストの迅速化とコスト削減が求められるため、テスト自動化エンジニアの役割は非常に重要です。

テスト自動化エンジニアは魅力的なキャリア選択肢ですが、テスト自動化の基盤を構築し、高度なテストケースを作成するための専門知識を習得する必要があります。

テスト自動化エンジニアへのステップアップ

手動テストの経験は、自動化テストのスキルアップに大きく貢献します。手動テストから自動化テストへキャリアチェンジを考えている方は、以下の10ステップを参考に進めてみましょう。

① テストに関する基礎知識の習得

テストの種類とテスト設計手法に関する基礎知識を習得することが重要です。特に、手動テストとテストケース設計の両方を担当する場合には、すべてのテストケースを漏れなく網羅し、正確に設計できる能力が求められます。

② HTML、CSS、Xpath知識の習得

HTML、CSS、XPathの知識は、テスト自動化において不可欠です。 これらの知識を習得することで、Webページ上の要素を正確に特定し、安定したテストスクリプトを作成することができます。そのおかげで、プロジェクトに自動化テストをより正確に適用できるようになります。

③ドメイン知識の習得

ドメインに関する誤った理解は、バグの発見漏れや、不適切なテストケース設計につながり、結果としてソフトウェアの品質低下を招く可能性があります。Linux、SQL Server、アプリケーションに関する知識も重要ですが、エンドユーザーのニーズを深く理解するためには、ドメイン知識が不可欠です。

テスト自動化エンジニアが、企業のビジョンや事業内容を深く理解していれば、より精度の高いテストシナリオを作成し、業界特有の潜在的な問題を早期に発見することができます。

.

④ テストフレームワークの熟練

テスト自動化フレームワークは、テストツールの標準機能では実現できない、プロジェクトに合わせたカスタマイズ可能な構成を提供します。テストフレームワークを活用することで、自分で一から構造を設計する手間を省くことができます。

⑤ ソフトウェアデザインパターンの理解

デザインパターンとは、さまざまな状況で使用できるテンプレートであり、コードに直接変換可能です。これにより、ソフトウェア開発者は時間とコストを節約し、エラーを減らすことができます。ソフトウェアデザインパターンを理解し、活用することで、フレームワークをより簡単に構築でき、エラーを迅速に発見し修正することができます。

現在、自動化テストにおいて最も広く採用されている設計パターンは、POM(Page Object Model)です。POMは、ページやページ内の要素を個別のオブジェクトとしてモデル化し、各ページ内のすべてのアクションと属性をまとめるのに役立ちます。他の多くのパターンについて学ぶことができますが、少なくともPOMパターンには習熟しておくべきです。

⑥オープンソースツールの活用

自分のテストケースを自動化するために選択するオープンソースは、プロジェクトや個人の習慣によって異なります。多くの組織はさまざまなアプリケーションを自動化するためにさまざまなアプローチを取っています。例えば:

・Webアプリケーション

・WebドライバーAPIまたはWebサービス

・モバイルアプリケーション

・デスクトップアプリケーション

⑦ データベースに関する知識

ソフトウェア開発プロジェクトの多くはデータベースを利用するため、データベースに関する知識は不可欠です。データベースの構造を理解し、データの操作、クエリの実行、データの整合性確保などのスキルを習得することで、より効率的にテストを行うことができます。

⑧プログラミング言語とツールの習得

テスト自動化にはプログラミング言語が必要になります。

テスト自動化のスキル向上のためには、少なくとも1つのプログラミング言語を習得することが重要です。Java、JavaScript、Python、Groovy、Ruby、C#など、様々な言語が利用できます。これらの言語を習得することで、開発者とコードを共有し、共同で品質向上に貢献することができます。

さらに、異なるプログラミング言語を使用する場合にサポートされるさまざまなツールもあります。最適なサポートツールを選択するには、次の重要な要素を考慮する必要があります。

  • エラーのカテゴリ(データベースレベル、ビジネスロジック、GUIなど)
  • 自動化を担当する人(開発者またはテスター)
  • プログラミング言語と開発環境
  • テストデータのセットアップと管理プロセス
  •  バージョンとCIシステム管理
  • サポートされるプラットフォーム

これにより、現在の技術に適合した統合ツールを見つけ、テストプロセスを迅速化することができます。例えば、

  •  APIテストツール
  • オープンソーステストツール
  • テスト自動化ツール

⑨プログラミングの基本的なスキルの習得

テスト自動化エンジニアとして活躍するためには、プログラミングの基礎知識が不可欠です。コーディング、IDEの利用、ソースコード管理、競合の解決、コーディング規約の遵守、そしてプログラミングの基本的なスキルが求められます。

⑩ 新技術への対応 

自動化テストの分野は日々進化しており、新しいツールや手法が常に登場しています。テスト自動化エンジニアは、常に最新の技術動向に目を光らせ、新しい技術を積極的に取り入れる必要があります。

  • ビルドツール:Maven, ANT, Gradle, v.vv..
  • CI/CD: CircleCI, Docker, Jenkins, v.vv..
  • クラウド環境:Testingbot, AWS, Browserstack, v.vv..
  • BDD: Specflow, Serenity, Cucumber, v.vv..
  • モバイルテスト:Perfecto, Appium, v.vv..
  • デスクトップアプリテスト:AutoIT, Appium, v.vv..

多くのテスト自動化エンジニアは、この分野が常に新しい技術や知識を要求するため、独学でスキルアップを図っています。 自動化テストを学びたい方は、書籍、オンラインコース、動画などを活用し、積極的に知識を深めていきましょう。

テスト自動化とは? テスターに必要なスキル

テスト自動化は、ソフトウェアテストの一環であり、プログラムやソースコードを自動的に検査するための強力なツールです。手動テストと比較して、効率性が高く、障害を減らし、単調な作業を軽減することができます。

では、テスト自動化とは具体的に何なのでしょうか?そして、テスト自動化を行うためにテスターにはどのようなスキルが必要なのでしょうか。この記事では、これらの疑問にお答えします。

テスト自動化とは

テスト自動化を行うためには、テスト自動化ツールと呼ばれる専用のツールを使用します。このツールを使って、各テストケースに該当したコード(スクリプト)を作成します。そして、テスト自動化ツールは、このスクリプトに基づいてプログラムを実行し、テストを行い、テストケースに応じて結果(成功/失敗)を出力します。

現在、多くのテスト自動化ツールが存在しますが、その中でも特に有名なものとして以下が挙げられます。

  • Selenium: オープンソースで無料で利用できる、Webアプリケーション向けのテスト自動化ツールです。Windows、macOS、Linuxなど、さまざまなプラットフォーム上で動作し、Java、JavaScript、Pythonなど、複数のプログラミング言語に対応しています。
  • Appium: モバイルアプリ(Android、iOS)向けのオープンソースのテスト自動化ツールです。Java、Python、C#などのプログラミング言語に対応し、実機やエミュレーター上でテストを実行できます。
  • Cypress: Webアプリケーションのユーザーインターフェースをテストするためのツールです。Windows、Linux、macOSに対応し、エンドツーエンドテスト、統合テスト、単体テストなど、さまざまな種類のテストを実行できます。
  • Postman: API、特にREST APIを扱うためのツールですが、テスト自動化機能も備えています。APIのテストだけでなく、CI/CDパイプラインとの連携も可能です。
  • Apache JMeter: Webアプリケーションの性能テストを自動で行うためのオープンソースツールです。

テスト自動化の実行プロセス

プロジェクトにおいてテスト自動化を採用するかどうかは、プロジェクトの性質やチームメンバーのスキルセットに大きく依存します。テスト自動化には、テストスクリプトの作成能力など、一定のスキルが求められます。

一旦、テスト自動化の実施が決まれば、以下のステップに従って進めていきます。

1. テストツールの選定

テスト自動化には様々なツールが存在し、それぞれ特徴や得意とする分野が異なります。ツール選定の際には、以下の点を考慮する必要があります。

サポートされるプログラミング言語:Java、JavaScript、Pythonなどの言語に対応しているか。

対応するテストの種類:統合テスト、単体テスト、システムテストなど、プロジェクトで実施したいテストに対応しているか。

対応するプラットフォーム:Webアプリケーション、デスクトップアプリケーション、モバイルアプリなど、テスト対象のアプリケーションが動作するプラットフォームに対応しているか。

レポート機能:テスト結果をわかりやすく報告できる機能が備わっているか。

2. テスト自動化の範囲の決定

テスト自動化は、以下のような特徴を持つ課題に適しています。

  • テストするデータ量が大きい
  • 複数の画面や機能でテストケースの再利用性が高い
  • 複雑なテストシナリオ: 手動テストでは実施が難しい、大量の同時アクセスや特定の条件下での動作検証など
  • 結果を検証する論理的な可行性:例えば、アプリケーションのUXを評価するためにテスト自動化を用いるのが非常に難しい場合

これらの特徴を踏まえ、プロジェクト内でテスト自動化を適用する範囲を決定します。

3. テストケースとスクリプトの作成

この段階では、具体的なテストケースに基づいて、テスト自動化ツールで実行するためのスクリプトを作成します。これは、プログラミングと同様の作業であり、作成したスクリプトは、他のプロジェクトや機能でも再利用できるよう、モジュール化を進めることが理想です。

4. テスト自動化の実行

5. 更新と保守

テスト自動化ケースは、まるで小さなプロジェクトのように管理する必要があります。ソフトウェアやアプリケーションが変更されるたびに、テストケースもそれに合わせて更新・修正する必要があります。これにより、テスト自動化の有効性を維持し、常に最新の状態に保つことが重要です。

テスト自動化エンジニアに必要なスキル

テスト自動化エンジニアを目指す方は、まず手動テストに関する基礎知識、テストの種類、手法をしっかりと身につけることが大切です。テスト自動化の技法はすべて基本的なテストに関する知識に基づいているため、テスト自動化は職業能力を拡張するためのツールとして捉え、独立した道としてではなく考えるようにしましょう。

テスト自動化エンジニアには、以下のスキルが求められます。

  • オブジェクトの識別:Webアプリケーションの対象要素を、HTMLやXPathなどの言語を用いて正確に特定するスキル
  • テスト自動化ツールの選択:Seleniumのような一般的なツールから、プロジェクトに適したツールを選択する能力
  • プログラミングスキル:テスト自動化ツールでスクリプトを作成するためのJava、Python、C#などのプログラミング言語の知識
  • コーディング、デバッグ、IDE活用のスキル
  • 継続的な学習:テスト自動化の分野に関する新しいツール、技術の学習能力

まとめ

テスト自動化はソフトウェアテストの一分野であり、現在も発展を続けており、プロジェクトの開発においてますます重要な役割を果たしています。テスト自動化エンジニアになることは、あなたのキャリアにとって大きなステップアップとなるかもしれません。この記事では、テスト自動化の概要と、テスト自動化エンジニアに必要なスキルについて解説しました。

この記事が、テスト自動化に興味のある方にとって、少しでも参考になれば幸いです。今後も、この分野に関する情報を発信していきますので、ぜひご期待ください。

ペンテストとは?侵入テストに関するノウハウ

技術アプリケーションを構築する際、ウェブアプリやモバイルアプリなどの製品のセキュリティを強化するために欠かせないステップの1つが、侵入テスト(ペネトレーションテスト)です。では、ペンテストとは具体的に何か、企業における情報セキュリティに対するこのモジュールの役割はどのようなものか、以下の記事で探ってみます。

ペンテストとは? 

ペンテストは「ペネトレーションテスト」の略で、システムの安全性を評価する手段として、実際の攻撃をシミュレーションした攻撃によって実施されます。シンプルに言えば、ペンテストはシステムに侵入し、ハッカーが悪用する可能性のある潜在的な弱点を発見しようとします。
ペンテストの目的は、組織ができるだけ多くの脆弱性を特定し、それを修正することで、将来的な攻撃の可能性を排除することです。侵入テストを行う人は「ペンテスター」と呼ばれます。
ペンテストは、コンピュータシステム、ウェブアプリ、モバイルアプリ、ネットワークインフラ、IoT、クラウドサービス、SaaSソフトウェアサービス、API、ソースコード、またはインターネットに接続され攻撃される可能性のあるIT対象に対して行われますが、最も一般的なのはウェブアプリとモバイルアプリのペンテストです。これらの要素は「ペンテスト対象」と呼ばれます。
侵入を実施する際、ペンテスターはそのシステムまたはソフトウェアの所有者からの許可を得る必要があります。許可がない場合、その行為は違法なハッキングと見なされます。実際、ペンテストとハッキングの境界は対象の所有者の許可によって決まります。したがって、ペンテストの概念は「倫理的ハッキング(エシカルハッキング)」に似た意味を持ち、ペンテスターは「ホワイトハットハッカー」とも呼ばれます。
ペンテストを理解するためには、セキュリティにおける「脆弱性」、「エクスプロイト」、「ペイロード」という3つの基本概念を理解する必要があります。

  • 脆弱性(vulnerabilities):これは、ソフトウェア、ハードウェア、オペレーティングシステム、またはウェブアプリケーションのセキュリティ上の弱点であり、攻撃者がシステムを攻撃するための足がかりを提供します。脆弱性は、弱いパスワードのような単純なものから、SQLインジェクションやバッファオーバーフローのような複雑なものまであります。
  • エクスプロイト(exploits):これは、脆弱性、エラー、バグを悪用して、コンピュータシステム上で異常な動作を引き起こすための行動です。この行動には、権限昇格、機密情報の盗難、サービス拒否攻撃などが含まれます。
  • ペイロード(payloads):これは脆弱性を持つシステムの一部であり、攻撃のターゲットです。

ペンテストの形式

ホワイトボックステスト:ホワイトボックスペンテストでは、テスト担当者に対して対象に関する詳細情報(IPアドレス、ネットワークインフラの図、使用されるプロトコル、ソースコードなど)が提供されます。

グレーボックステスト:グレーボックスペンテストは、テスト担当者が対象に関する制限された情報(URL、IPアドレスなど)を持つ形式です。対象の十分な情報やアクセス権限を持てない。

ブラックボックステスト:ブラックボックスペンテスト、または「ブラインドテスト」とも呼ばれるこの形式のペンテストは、現実世界のハッカーの視点から行われます。この形式では、テストを実施する専門家は、攻撃対象について事前に一切の情報を受け取らず、対象に関する情報を自ら調査・収集し、その後テストを行います。このタイプのペンテストは、多くの時間と攻撃への努力が必要なため、コストが高くなります。

他にも、ダブルブラインドテスト、外部テスト、内部テスト、ターゲットテストなどのペンテスト形式がありますが、これらはベトナムではあまり普及しておらず、特定の企業のニーズに応じてのみ使用されます。

ペネトレーションテストの歴史

1960年代半ば、コンピュータネットワークを介したデータ通信の能力が向上したことで、専門家たちは、政府や企業のネットワークへの侵入攻撃が発生し、交換されるデータにアクセスされる可能性について警告を発しました。1967年に開催された年次コンピュータ会議(AFIPS)には、15,000人以上のコンピュータセキュリティの専門家が集まり、そこで「ペネトレーション(侵入)」という用語が議論され、定義されました。
1967年の終わりに、RAND Corporationは米国の国防高等研究計画局(DARPA)と協力して、ウィリスレポート(プロジェクトリーダーの名前に由来)と呼ばれる専門的な報告書を作成しました。この報告書では、インターネットのセキュリティ問題について議論し、政策を提案しました。この報告書は、今日のセキュリティ対策の基礎を築いたものでした。この報告に基づいて、米国政府は企業と協力して「コンピュータネットワークシステムの脆弱性を発見し、侵入や不正利用からシステムを保護する」ことを目的としたグループを設立しました。
世界で最初のペンテストチームは「タイガーチーム」と呼ばれ、1960年代後半に設立され、コンピュータネットワークに攻撃を仕掛け、その防御力を評価する役割を担いました。その結果は、リーダーたちを驚かせるものでした。

なぜペンテストが必要なのか?

今日、テクノロジーの発展により、侵入テストは多くの企業の情報セキュリティシステムに欠かせないモジュールとなっています。
ペネトレーションテスト(侵入テスト)は、ウェブ、モバイルアプリ、ネットワーク、IoTなどをハッカーの攻撃から守るための効果的なセキュリティソリューションです。現実の攻撃をシミュレートすることにより、テストエンジニアはシステムのセキュリティ上の弱点を発見し、それによって企業がハッカーに利用される前に脆弱性を修正することで、金銭的損失や評判の損失を防ぐことができます。
市場調査会社Market Watchによると、ペンテスト市場は2018年に9億2000万ドルであり、2025年には24億2000万ドルに達すると予測され、2019年から2025年までの間に年平均成長率(CAGR)は14.9%に達する見込みです。サイバー犯罪者からのシステム耐性テストの需要は非常に高く、この成長の理由は4つの要素にあります。

ペンテストが現代企業に不可欠な4つの理由

ウェブアプリ、モバイルアプリの開発の増加

まず、デジタル経済のビジネスモデルは、企業がウェブサイトやモバイルアプリを使用して顧客とつながり、対話し、サービスを提供することを求めています。これは一部の組織にとって利点であると同時に、必要条件でもあります。なぜなら、消費者の行動は変化しており、彼らはオンラインでの利便性を好んでいるからです。したがって、オフライン販売のリスク(在庫、店舗コスト)を回避する一方で、企業はウェブサイトのハッキング、モバイルアプリのハッキング、顧客情報や重要なデータの盗難、業務の中断、ウイルスやマルウェアの感染など、サイバーリスクも背負うことになります。

デジタルトランスフォーメーションのトレンド

次に、現代企業は「デジタル化」や「デジタルトランスフォーメーション」のトレンドに追いつく必要があります。新しい技術を業務に取り入れることで、人件費や運用コストを削減できる一方で、ハッカーによる攻撃対象が増加します。ERPシステム、CRMシステム、IoTデバイスなどがその典型です。これらのデジタル製品が適切に保護されていない場合、サイバー犯罪者のターゲットとなる可能性があります。

SaaSソフトウェア

次に、第三に、オンプレミス ソフトウェアと比較して、有料の「as-a-service」ソフトウェアを使用する傾向が増加しています。これはユーザーに利便性を提供する一方で、サービス提供者にとってはセキュリティリスクが増大します。SaaS、IaaS、PaaS、FaaSのようなサービスモデルは常にインターネット接続を必要とするため、サービスの中断や攻撃のリスクが高まり、ユーザーエクスペリエンスに影響を与える可能性があります。

人間の創造性を持つ攻撃者

最後に、シミュレーション攻撃によるセキュリティ強化は、どんなに高度な防御システムでも提供できない利点を企業にもたらします。ペンテスターは、現実のハッカーと同じように「人間らしい」クリエイティブな方法で攻撃を行います。

ペンテストの利点

定期的かつ適切にペンテストを実施することで、企業は重要なセキュリティ目標を達成できます。

  • ウェブアプリ、モバイルアプリ、ネットワーク、IoT、API、クラウドシステム、SaaS、ハードウェアなどのセキュリティを強化し、ハッカーによる不正侵入を最小限に抑える。
  • リーダーは、組織のアプリケーションと技術製品のセキュリティ全体像を把握できる。
  • 実際の攻撃が引き起こす可能性のある損害を予測できる。
  • 企業のデータベースや重要な情報、ユーザー情報を保護する。
  • システムが安定して稼働し、攻撃による中断のリスクを最小限に抑えることができる。
  • 自動防御ツールでは見つけにくい危険な脆弱性を特定できる。
  • 各業界のセキュリティ基準(PCI DSS、HIPAA、ISO 27001など)を満たすことができる。
  • 顧客、パートナー、投資家に信頼感を与える。